10月19日〜10月21日

10月19日

あの子が大阪から電車に乗って来てくれた。夜は一緒にインスタントラーメンに盛り付けして豪華なラーメンに見せるバトルをした。

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美味しかった。

 

10月20日

前、誕生日に渡した商品券でお買い物をした。あの子はおれのために鍋を買ってくれた。なんていい子なんだ。パッセで買い物中、少し喧嘩になってしまった。でも、何かを言うときは俺は優しく指摘するし、あの子はしょうもないことは気にしないという結論で話し合いが終わって、またお互いのことが分かり合えた。

 

10月21日

家でゆっくり過ごしていた。朝に俺がコンビニにトイレに行ったら拗ねてしまい、そんな些細なことが大げんかに発展してしまった。喧嘩して本当に辛かった。もう喧嘩したくない、そう思った。

あの子が顔を真っ赤にしてごめんなさいって謝ってきたときに本当に可哀想なことしたなと凄く反省した。

夜ご飯を作っているときに少しだけ俺の体調がまた悪くなってしまったけど、あの子が優しくなだめてくれたおかげで体調は比較的すぐに回復した。ありがとう。

 

本当に楽しい3日間だった。

 

いろいろなことがあった9月。

まず、9月1日、2日。

僕は、あの子の実家に泊まった。

あの子のお母さんは餃子と唐揚げを作っておいてくれた。あとマカロニサラダとキュウリの漬物。翌朝、あの子は元気が無くてどうしたのかと思ったら、また嫌なことがあったんだ。すごく可哀想で辛かった。

 

そして9月22日、23日。

僕が体調不良で、あの子との予定を潰してしまった。翌日、体調が少しマシになって、あの子に遊ぼうってお願いした。あの子は僕に会うため、急いで準備して、はるばる名古屋まで来てくれた。

ずっと食欲がなかったが、あの子が作ってくれた豆腐の海苔巻きと、長芋の醤油焼きが愛情いっぱいですごく美味しくってそれを食べて少し元気になった。

この時、誕生日プレゼントとして、あの子にピアスをあげた。しかし、あの子は帰りに1つ落としてなくしてしまった。プレゼントをなくしてしまって泣いているあの子がすごく可愛かった。

 

そして9月27日。

あの子の誕生日だ。僕はあの子に会うため、大阪へ向かった。電車で行く予定だったけど、途中で電車が遅れてしまい、乗り換えがうまくいかず、日帰りなのに会える時間が遅くなってしまいそうになった。あの子が太っ腹に半額出すから新幹線で来て!と言ってくれたから僕は新幹線で行った。

大阪について、マツキヨでクオカードを使って化粧品を買ってあげて、コンビニでご飯を買って、ホテルに行った。ついにあの子も合法にホテルに行けるようになった。振り返ってみると、案外すぐだった。

その後、予約の時間まで少しあったのでドンキホーテなどを回っていた。

最後に監獄レストランに行って、少し喧嘩になりかけたけど楽しく誕生日を終えた。

8月9日~12日-人生最高のサプライズ。【第ニ弾】

僕たちは家に着いた。

 

最寄駅から家までの暗い道のりをどのように歩いていたのだろう。

 

たしかあの子は、僕より前を歩いていた。相変わらず道路に近い道を歩いたり、時として道路に出たりするから、危ないなぁと思いながらも、「ちゃんと内側を歩いて」なんて声をかけられるはずもなく無言で歩いていた気がする。

 

あの子の手を引っ張って道路に引き戻したような気もするが、これは現実か?それとも妄想か?記憶は曖昧である。

 

僕が財布から鍵を出し、鍵を開けるまでの間、喧嘩してから1番2人の距離が近づいた気がする。

 

あんなに近寄れたのに、あの時僕らは言葉を交わすことすらなかった。

 

あの子は家に帰ると、無言で荷物を詰め込んだ。大きなキャリーケースに物を入れていくあの子が、なんとも健気に見えて、辛かった。

 

でも、もう僕は、あの子の彼氏ではない。僕はあの子が帰ろうとするのを止めようとはしなかった。

 

でもこの時、本当は、僕はあの子を試していたのかもしれない。

 

食器を捨てるそぶりを見せたり、あの子から借りているケーブル保護コネクタをあの子へ返そうと投げたり、僕はあの子を突き放した。

 

そうすることで、見せかけではないあの子の本心を探りたかったのかもしれない。

 

そして、あの子は泣きじゃくった。

僕の冷たい態度に耐えきれなくなったのだろうか。自分の行いを後悔したのだろうか。とにかくあの子は泣きじゃくった。

 

また僕は、あの子を泣かせてしまった。

 

そしてあの子はごめんなさい、ごめんなさいと謝ってきた。

 

やはり、あの子は反省していた。

 

この時、僕はあの子の本当の思いを知った。

 

喧嘩してる最中から後悔していたこと、花火が始まって普通に話しかけようと思ったけど僕が冷たく返事をしたからどうすればいいかわからなくなってしまったこと、無言で見続ける花火が辛くなって、もう帰ろうと切り出したこと。

 

あの子は、全てを包み隠さず僕に教えてくれた。

 

僕は途端に申し訳なくなって、あの子を抱きしめた。

 

僕だって本当は気づいていた。

あの子は喧嘩した少し後から、悲しい声で、僕の顔を伺いながら話しかけてきていた。

 

でも僕は、あの時はあの子を受け入れられなかった。あの時の僕は、自分は完全に被害者だと思っていた。

 

いや、あの日の翌日の朝、あの子を抱きしめ涙を流すまで、僕は自分が被害者だと思っていた。

 

だから、こんなことをしたあの子を受け入れられなかった。

 

でも、本当は違った。僕が、僕が少しでもあの子が拗ねた時にあの子に歩み寄ることができたら、こんなことになってはいなかった。

 

事を大きくしたのは、僕だった。

 

———

家に着いて、どんな話をしたのだろう。

あの子がキャリーバッグに物を詰める手を止め泣き出してから、どんな話をしただろうか。

 

具体的には思い出せない。だが僕らはまた、仲直りした。

 

———

翌日の朝。

僕が目を覚ますと、相変わらず無邪気な顔で眠るあの子が隣にいた。あまりの可愛さにまた僕は写真に収めた。

 

こんなにも幼気なあの子を、昨日の夜、あんなにも泣かせて、あんなにも謝らせてしまった。

 

あの子が楽しみにしていた花火大会を僕が怒った事で台無しにしてしまった。そして、家に帰ってきて謝るあの子に対して、「お前のせいで台無しだ」と責めてしまった。

 

そう思うと申し訳なくて、目から涙が止まらなかった。

 

泣きながらごめんね、ごめんねと謝る僕に、目を覚ましたあの子は、うちが悪いんだよと慰めてくれた。慰めるあの子の声があまりにも優しくて、僕は涙が止まらなくなった。

 

———

朝、僕がご飯を作ってあげた。作っている間、あの子は爆睡していた。こういう無邪気なところが好きだ。

 

あの子の作ってくれる朝食に比べると「何か足りない感」が否めないものだったが、僕は結構頑張ったつもりだった。

 

———

2人で朝食を食べた後、僕らはパルコに向かった。特別展を見ようと話していたのだ。だが、途中で僕らはまた喧嘩になりかけた。

 

今朝あれだけ後悔したのに、また僕はあの子に怒りかけた。いや、怒ってしまったのかもしれない。

 

でも、なんとか持ち直し、僕らはデートを楽しんだ。

 

辛い食べ物のお店に行ってご飯を食べた。あの子の食べていたスンドゥブ?かなにかが地獄のような辛さで、味見した時、舌がおかしくなるんじゃないかと思った。あの子が頼んでくれたチジミも食べ物のレベルを逸脱した辛さで到底食べきれるものではなかった。

 

あの子はチジミをお腹が一杯だから食べられないと言ったが、本当はさすがに少し辛かったんじゃないか?と、実は少し疑っている。

 

それからのあの子はびっくりするくらい元気だった。

 

2人でパルコを回って、途中でMEDAMAYAKIのTシャツを買って、それから大須に行ってゲームセンターに行った。

ゲームセンターでしたことは二つ。

一つはパンチングマシーン。もう一つはプリクラだ。

僕にとっては実に5,6年ぶりのプリクラだ。あの頃よりも顔認識のレベルが上がっており、僕の小さな目でも、しっかりと認識してくれていた。

 

パンチングマシーンに関してはイマイチの結果だった。ついこの前まで200キロは普通に超えていたが、今回は186キロが最高だった。もっと大きい数字を出して、あの子にすごいって心の底から思われたかった。

 

その後、gramで限定発売のパンケーキを食べた。この時のあの子の笑顔が、愛しくてたまらない。

 

パンケーキももちろん美味しかったが、あの子が写真を撮る間にバターが溶けて転がったこと、店員さんが初心者で危なかったしかったこと、ガムシロップの出が悪いと話していたら気がきく他の店員さんが他の容器に移し替えて持ってきてくれたことなど、印象深いことが起きすぎて、そっちの方がよく覚えている。

 

そして、パンケーキを食べたあと、僕らは若者の街、栄に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

8月9日~12日-人生最高のサプライズ。【第一弾】

8月9日。

 

大好きな彼女から、お昼ごろにビデオ通話がかかってきた。

彼女とはよくビデオ通話するが、いきなりかかってきたのは初めてだったから驚いた。

 

通話に出ると、めがねをかけた可愛い彼女のお顔が映っていて、彼女が言ったセリフは一言。

 

「どこにいるでしょーか!」

 

そして彼女は、スマホを上にかざした。

 

そこに映っていたのは、金時計だった。

 

本当は、8月10日から会う予定だった。

彼女はこっそり、一日早い新幹線のチケットを取っておいてくれて、

こっそり名古屋まで来てくれたのだ。

 

こんなにうれしい思いをしたのは、はじめてだった。

 

彼女は朝から、いや、新幹線のチケットを買ったその日から一切このことに触れず、ずっとこっそりと準備してくれていたのだ。

 

陰ながらサプライズを企画してくれて、いろいろと計画を練ってくれていたことが本当にうれしかった。

 

前日に、微妙に体調が悪いと彼女に伝えたとき、やけに心配していたのは、次の日にこっそり来るからだったのかと気づき、また彼女が好きになった。

サプライズネタバレを我慢して、ただひたすら、「心配だから早く寝て」と言ってきた彼女の気持ちを思ったら、なんていい子なんだと思って、早く抱きしめたい。そう思った。

 

とにかく1秒でも会いたくて、急いで名古屋駅に向かった。

 

ーー

名古屋駅に着いた。

彼女は金時計にいた。かわいいキャリーバッグを引いて、名古屋に来てくれていた。

「今回はキャリーバッグだからおでかけするとき、これだけ持てばいいんだよぉ」とカバンを誇らしげに持つ彼女が、また可愛くて、たまらなく愛しく思った。

 

サプライズがあまりにもうれしかったので、今回は、デニーズ以外のところで昼ごはんを奢ってあげたいと思った。だから、ゲートタワーのおしゃれなスパゲッティ屋さんで昼ご飯を食べた。

 

この時の彼女があまりにも可愛くてたくさん写真を撮った。

おいしそうにスパゲッティを食べてくれて、嬉しかった。

 

ーー

お昼ごはんを食べた後、Seriaに行って食器を買った。

食器を選んでいる時、少しつらかった。

 

まるで同棲しているようなことをしているのに、数日したらまた大阪に帰ってしまい、また1ヶ月くらい会えなくなる。そう思ったら、食器を選んでいる最中なのに、泣きそうになった。

 

食器を選んでからは、ニトリに行った。バスタオルと食器の水切りの台を買った。

本当に同棲しはじめたカップルみたいな気持ちだった。

凄く幸せだった。すごく幸せなのに、少し寂しかった。はやく同棲したい。心からそう思った。

 

ーー

名古屋駅で買い物を済ませたら家近くのスーパーに向かった。

ここで、一緒に夜ご飯と朝ごはんの買い物をした。

今日はチーズインハンバーグを作ってくれると言ってくれた。

途中で、豚ミンチか牛豚ミンチかわからなくなってお母さんに電話かけていたところが、これまた愛しくてたまらなかった。

 

ーー

彼女が1か月ぶりに僕の家に帰ってきた。

幸せだった。

 

ここでまた、サプライズを用意してくれていた。

彼女がバイト先でバウムクーヘンを買っておいてくれたのだ。

こんなに尽くしてくれる彼女がいて、本当に自分は幸せものだと感じた。

 

ちょっとしてから夜ご飯を作り始めた。

凄く上手にハンバーグを作ってくれて、とてもおいしかった。

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でも、何よりも可愛かったのはデミグラスソースが理想と違う感じになってしまって、

しょんぼりしながらご飯をよそっている姿だった。

 

あまりにも可愛かったのですぐに写真を撮った。

 

ーー

夜は、彼女が持ってきてくれたバウムクーヘンを食べながら、

Huluでアイアムアヒーローを見た。

 

内容も面白かったし、怖いシーンになると、「えっ、普通に無理。こわい・・・」とか言って画面から視線を逸らす彼女がすごくかわいかった。

本当に幸せな時間だった。

 

彼女も、「ねぇ、今すごく幸せ」と呟いてくれて、愛くるしくてたまらなかった。

 

ーー

8月10日。

 

彼女の朝は遅い。

お腹を出しておへそに手を入れながらスヤスヤと眠っている彼女が可愛くてたくさん写真を撮った。

 

問題は、この後だった。

 

僕が、もう少し、彼女が僕にしてくれたサプライズのことを思い出せる余裕があれば、きっと最高の思い出になったはずだったのに、僕の気持ちも空回りしてしまって、彼女を苦しめてしまった。

 

この日、僕は彼女を花火大会に連れていく予定だった。

彼女が絶対に浴衣を着たい、浴衣着ないと花火大会行きたくないと言うから、

勝手に浴衣レンタルを予約して、浴衣を着て花火大会に行く予定だった。

 

でも、電車に乗っているとき、ささいなことで、彼女を怒らせてしまった。

これからお互いがずっと楽しみにしていた花火大会が待っているというのに、

険悪なムードになってしまった。

 

浴衣レンタルの会場に向かう途中も、彼女は怒ったままだった。

きっと普段の僕なら、もっとごめんね、機嫌直してと彼女に歩み寄れたと思う。

 

でも、この時は僕もすこしイライラしてしまった。

この時、まだ僕は彼女のことを十分に理解できていなかったから、彼女が怒っている理由が理解できなかった。

 

なぜ怒っているのかわからないという意味ではなく、どうしてこんなことで怒るのかわからないという意味だ。

 

この時の僕はそう感じていた。

 

それに、自分が思い描いていた理想とかけ離れてしまっていた現実にも、つらくて耐えられなかった。

 

駅から浴衣レンタル屋さんまでの道のりを手をつなぎながら、どんな浴衣があるかなぁ?と歩く。

 

その道のりは、古い町並みが残っているから、「なんかいい雰囲気だね」なんて言いながら、町並みを眺める。

 

こんな今を想像していたから、せっかくいい雰囲気の町並みが広がってきたのに、険悪なムードで歩いている現実が、あまりにも辛すぎた。

 

だから、僕は、怒ってしまった。

 

今思えば、後悔しかない。

 

彼女がどれだけこれを楽しみに思っていたか、どれだけ喜んでくれたか、このお返しに僕にどれだけうれしいサプライズをしてくれたか。

 

これを考えれば、自分の感情は押し殺して、彼女と仲直りし、彼女が喜ぶようにしてあげるべきだった。

 

これが最善の選択だった。

 

それなのに僕は、「自分のサプライズを喜んでいない彼女」に我慢できなくなって、感情を思い切りぶつけてしまった。

 

独りよがりの感情を。

 

あんな風に言われたら、彼女がどう感じるか、今ならわかる。

それなのに、性懲りもなく僕は、また彼女に怒ってしまった。

 

僕が怒りさえしなければ、浴衣を着れば彼女は元気になったかもしれない。

僕が怒りさえしなければ、出店で何か買えば、彼女は元気になったかもしれない。

僕が怒りさえしなければ、花火を見れば、彼女は元気になったかもしれない。

 

すべてを台無しにしたのは、僕だった。

 

自分がイヤになるから、思い出したくないけれど、この現実は直視すべきだと思うから、しっかり反省しながら、書き進めようと思う。

 

ーー

まず、険悪なムードの中、何とか浴衣レンタル屋さんについた。

そんなムードであっても彼女は「ねぇ、どれがいいと思う?」と聞いてくれた。

この時もっと彼女を受け入れてあげれば良かった。

たしかに一緒に選びはしたが、どうしても僕の中でモヤモヤが残ってしまっていた。

 

でも、浴衣を着た彼女があまりにも美しすぎて、出てきた彼女を一目見たら、そんな気持ちはすっかり消え失せていた。

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こんなに浴衣が似合う女の子がこの世にいるのだろうか。

そうおもった。

 

でも、素直になれず謝れない僕に、彼女が謝ってきてくれた。

本当はモヤモヤした思いが残っていたのに。

彼女は気持ちを押し殺して、僕と楽しい時間を過ごすため、謝ってきてくれた。

 

ーー

少しばかり、とても楽しい時間が過ごせた。

彼女とお寺みたいなところに行って、お願い事をした。

彼女がどんなお願い事をしたのかは僕は知らない。

彼女とハートの絵馬を書いた。

別れるフラグとか言いながらも、嬉しかった。

 

出店でいろいろ食べた。かき氷、チーズドッグ、焼き鳥、イカ焼き、お好み焼き。

それに彼女が僕にチューハイを買ってくれた。

浴衣レンタルが嬉しかったのかな。彼女はチーズドッグも焼き鳥も、イカ焼きも買ってくれた。今思えば、どうしてこういう彼女の可愛さにもっと気づけなかったんだろうと思う。

 

ーー

でも、そこから、また険悪なムードになってきてしまった。

特に何かがあったわけではないと思っているが、きっと彼女の中で、ずっとモヤモヤが残っていたんだと思う。

 

彼女がそれを僕に伝えてきたとき、また僕は怒ってしまった。

 

もう無理だ。そう思ってしまった。

きっと短気なんだろう。

 

彼女のことが嫌いになったとかそんなはずないのに、

怒っている僕は、彼女のことを好きと思えなくなってしまっていた。

 

だから、僕は、「もう帰ろう」と言った。

 

彼女は「なんで」と悲しげに言ったのに、僕は強引に帰ろうとした。

 

ここで、気づくべきだった。彼女は、拗ねているだけで、心から怒っているわけではなかったんだと。

 

それなのに、僕は耐えられなくなって、挙句の果てに「もう別れよう」とまで言ってしまった。

 

それでも彼女は、「花火だけは見よ」と言ってくれた。

 

そこで、「怒ってる?」と不安げに聞いてきた彼女に、「怒ってないよ」と冷たく返し、無言の中、花火の音が鳴り響いた。

 

とても綺麗だった。きれいだねって彼女と話しながら見たかった。

「でも正直、彼女ちゃんの方が綺麗だよ」なんてふざけたセリフも言いたかった。

 

でも、何も言えず、無言のまま花火を見た。

 

彼女が耐え切れなくなって「まだ見たい?」と問いかけてきた。

 

そして、僕らは帰った。

 

足が痛く、早く歩けない彼女を置き去りにして僕は、浴衣レンタル屋さんに向かった。彼女も後をついてきていた。

 

途中で、「話したい」と半泣きで問いかけてきた彼女の話にもまともに応じず、僕は歩いた。

 

浴衣のレンタルも終わった。

 

花火大会も終わった。

 

駅に向かう途中、彼女が後ろにいないことに気づいた。

電話すると、泣きながら道がわからないと言ってきた。

 

そんな彼女にさえ、冷たく当たって、僕たちは無言で電車に乗って、家へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

7月21日・22日-辛すぎる裏切りと、決心。

7月21日。

 

また、約一か月ぶりに彼女とデートの日がやってきた。

ただ、この日を迎えるまでに僕と彼女はかなり喧嘩してしまっていた。

 

まず、その理由のひとつは、僕の大学院入試が近づいていたことだった。絶対受かる自信はあったが、さすがに少し、ピリピリしていた。

他にもいろいろ理由はあったのだろうが、よくわからない。

ただ、僕らは喧嘩して別れ話して、やっぱり別れない、を繰り返していた。

 

付き合って2か月も経たないというのに、僕らの関係は随分不安定なものになっていた。

 

 

喧嘩してるときは、僕もムカついてしまって、彼女に酷いことを言ってしまうが、

心の底では、嫌いなんて思ったことはなく、本当はずっと好きだった。

 

だからやっと彼女に会えるこの日が、すごく楽しみだった。

また名古屋に来てくれて、次はホテルではなく僕の部屋に泊まるという話になっていたから1週間近くかけて部屋を全力で掃除した。

 

名古屋に降り立った彼女は、相変わらず本当に美しくて、それでいて可愛くて、また会えたのが、本当に幸せだった。まさか、この後、あんなことになるなんて、思ってもいなかった。

 

ーー

まず、僕らは相変わらずデニーズに向かった。しかし、デニーズは少し混んでいたから、名前だけ書いて名古屋の地下街をまわった。

彼女がジュースが飲みたいというので、マンゴーの新発売(期間限定?)のジュースを買ってあげた。でも、味がイマイチで微妙なリアクションをする彼女が可愛かった。

 

デニーズに入って、ご飯を食べた。とても幸せな時間だった。

彼女の歌が聞きたくて、またカラオケに行った。

 

名古屋まで来てカラオケなんて、ってことはわかっているが、どうしても彼女の歌声が聞きたかった。

 

幸せな時間だった。

 

書いていると、病んできた。

 

このあと、つらいことになる。

 

思い出したくないくらい、つらいことになる。

 

ーー

やっぱり、書くのはやめよう。思い出すと、つらいから。

このことはもう、心の奥底に閉じ込めておこう。

 

 

 

ーー

彼女の手料理を初めて食べた。

すごく、おいしかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

6月23日・24日-あの子と付き合ってから初めてのデート。

僕は、あの子の彼氏になった。

大好きなあの子と付き合えたのはすごくうれしかったが、付き合って数日の間は、飽きられたり嫌われたりしてすぐに振られたらどうしようとかそんな不安な気持ちでいっぱいだった。

 

でも、無事に、会う予定の日が近づいてきて、その日が近づくにつれ、僕は幸せを噛みしめていた。

 

ただ、会うまでに、いろいろ起きた。

もっとも大きなことは、6月18日に起きた大阪の地震だった。

あの子は無事だったから本当に安心したが、僕はかなりビビって大阪に行くのが怖くなってしまっていた。

 

直前までやっとあと数日で会えるねと楽しみにしていたのに、怖くなってしまっていた。ハッキリ言って絶望だった。

 

あの子にそれを伝えると、あの子はかなり怒った。当然だ。もう収まりかけているのに、地震が怖いから会えないなんて言われたら、そりゃ怒る。

 

それに、あの子はあまり学校が好きではなくて、毎日つらい思いの中、僕と会うのを楽しみに頑張っていた。だから、なおさらつらかったのだろう。

 

それでも、それでも僕は、どうしても、「行く」とは言えなかった。

あの子は怒って、「もう夏休みまで会わない。もう今回の話は忘れよ。どうせ会わないんだから意味ないんじゃん」とぶっきらぼうに言ってきた。

 

でも、僕は会いたかった。どうすればいいんだろう。

絞り出した答えは「こっちに来て」だった。

 

今思っても、本当に、クズだと思う。

自分は行くのが怖いから相手に僕が住んでいる名古屋に来てとお願いしたのだ。

また、大きな地震が起きるかもしれないのに、家族を置いて大阪を離れて僕のところに来てとお願いしたのだ。

 

書いていても、自責の念に駆られる。

 

 

 

それなのに、あの子は名古屋に来るという決断をしてくれた。

 

 

 

本当に、ありがとう。

今でもあの子の、この選択に感謝してもしきれない思いだ。

 

ーー

僕の彼女が、新幹線に乗って、名古屋へやってきた。

名古屋で見る彼女は格別だった。

普段ならいつも通りの名古屋駅が、彼女のおかげで輝いて見えた。

本当に、本当にかわいくてたまらなかった。

 

僕らはまず、デニーズに向かった。

なぜデニーズか。理由は簡単だ。

クオカードが使えるからだ。

僕は諸事情により、クオカードを数万円分持っている。

そのクオカードで気分よく彼女にお昼ごはんを奢ってあげられる。

 

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ーー

記憶とは不思議なもので、より前のことである大阪での思い出はいくらでも思い出せるのに、名古屋でのことはあまり鮮明に思い出せない。

 

覚えているのは、雨の中、名古屋市科学館に行ったことだ。

あとは、名古屋市科学館がある白川公園をみて「名古屋、いなかやなぁ~~~」を大声で言っていたことくらいだ。

 

もちろん、冗談で言っているのだと思っている。だって、名古屋は大大大大大都会なんだから。

 

でも、そんなことをふざけて言う元気な彼女が、かわいくて、また好きになった。

 

ーー

名古屋市科学館に行った後、宿泊予定のホテルまで地味に時間が余ってしまった。

どうしようと迷っていると「どーするか、考えてください」と言ってくる彼女がとても可愛く感じた。なんというか僕に全面的に任せてくる感じが、幼げで可愛かったのだ。

 

結局僕らは、カラオケに行くことにした。

はじめて会ったときぶりに、カラオケに行った。

あの時、彼女は小声で少し歌を歌う程度だった。

でも、あれは、偽りの姿だった。

 

彼女は、そもそもいい声をしていた。

少し鼻にかかった高い声で、ミスチルの桜井さんのような電子音が混ざったような聞き心地の良い声。さらにかなりの声量もあった。

 

だから、本領を発揮した彼女の歌は、格別だった。ピアノを習っていたことも影響しているのか音の取り方も見事で、耳が気持ちよくてずっと聞いていたいと思った。

 

これは、彼女のことが好きだからとかは関係なく、本当に、僕は彼女の歌声が好きで、きっと彼女の一番のファンだと思う。

 

ーー

カラオケを出て、宿泊予定のホテルへと向かった。駅から結構遠いし、予約できない人気のホテルだから、宿泊可能時刻ちょっと前には着くようにしたいと思っていた。

 

それなのに、なんだかんだで、ギリギリになってしまった。

 

道中、「ねぇ~まだぁ?」といじらしく聞いてくる彼女に愛しさを感じながら、早歩きで歩いていると、やっとホテルが見えてきた。

 

ーー

残り1室というギリギリのギリギリで、なんとか部屋を取ることが出来た。

彼女もきれいな部屋に喜んでくれてすごくうれしかった。

ちょっとしてから一旦ホテルを出て、お決まりのコンビニ夜ご飯を買いに行った。

 

僕は、こういうところにすごく幸せを感じるので、ホテルから出て、コンビニに手を繋ぎながら向かう道が、本当に幸せだった。

 

ーー

デート中だというのに、彼女は納豆巻きなんかを買った。こういう純粋なところが、大好きなんだけどね。

 

僕は、はじめて彼女と会った日の夜に家でバカ食いした以来好きになった焼き豚の弁当と、カレーを買った。

 

運がいいことに、この日はエンタの神様スペシャルがやっていた。

大好きな人とご飯を食べながら見るお笑い番組は、格別だった。

 

ーー

翌朝。

朝日を背に化粧している彼女が美しくて、一眼レフで写真をたくさん写真を撮った。

おだんごヘアーがうまく決まらなくて手伝ってあげたら上手にできてうれしかった。

なんか、付き合ってるって感じがした。

 

この日に何をしたかはあまり覚えていない。

ただ、暑い中、栄にいるとき話の流れで僕の部屋に来ることになって、

汚すぎるレベルの僕の部屋に招待したことは鮮明に覚えている。

 

あんな汚い部屋を見ても、僕のことを嫌いにならないなんて、どんだけ僕のこと好きなんだと、すこし勘違い男になってしまうところだった。

 

そろそろバイバイの時間が迫ってきているというのに、眠くなっちゃったのか、彼女は、僕のベッドでスヤスヤと眠り始めてしまった。

 

ハッと目を覚ました彼女は甘い声で、「ごめん。もうすぐバイバイなのに寝ちゃった。本当にごめん」と謝ってきた。

 

か、かわいい。ひたすらかわいい、そう思った。

そもそもスヤスヤ寝ている彼女が可愛くて、僕は動画を撮っていたのだ。

むしろ、僕にとって、ご褒美みたいな時間だった。

 

ーー

楽しかったデートももう終わりだ。

僕は自分の家からあの子を名古屋駅まで見送ってバイバイした。

バイバイがさみしすぎて、どんよりした気持ちで自分の家に帰ったことを覚えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月26日・27日-またあの子と会えた日

5月26日。

 

僕は無事、あの子とまた会えることになった。

 

この日の午前中、僕は大学院説明会だった。

 

でも、正直大学院説明会なんてどうでもよくて、あの子に約1か月ぶりに会えることがうれしくて、ろくに話なんか聞いていなかったことを覚えている。

 

たしか、この日もあの子はバイトがあったのだろう。

 

僕は、待ち合わせの駅で待っていた。

待っていたというか、僕はそもそも待ち合わせの駅が好きなのだ。

 

だからずっと待ち合わせの駅をぶらぶらして写真を撮って楽しんでいた。

 

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ーー

あの子が駅に来た。

あの子は僕とおそろいのリュックを買って、それを背負って来てくれた。

相変わらず、可愛いことをする子だ。

 

夜ご飯はコンビニで買った。僕もあの子もねぎ入りのうどんを買ってホテルへと向かった。

向かう途中、あの子がバイトで指を少しだけ切ってしまった話をしていた。

可哀そうで舐めてあげたいと思った。

 

ーー

ホテルへ到着した。ホテルに着いてしゃべっていると、あの子は「バイト終わって、急いで家に帰って・・・」みたいな話を始めた。

 

あの子は、バイトが終わって直接、待ち合わせの駅に来たという設定だったのに、だ。

 

こういう不器用さは本当にかわいい。

この時、ものすごく好きだなぁと感じたのを覚えている。

 

お互いお腹が空いていたので、ねぎ入りのうどんを食べた。たしか、ねぎだけじゃなくて柑橘系のさっぱりした何かが入っているさっぱりとした美味しいうどんだった。

 

うどんを食べている最中、僕は、しまった、と感じた。

 

ねぎ。ねぎを食べてしまったのだ。僕はそれが気になってあの子にいっぱいキスできなかった。この時、今後は絶対に食べ物には気を付けようと決意した。

 

ーー

5月27日。

 

僕はあの子と海遊館に向かった。

 

まず、おなかが空いていたので、海遊館の横のなにわ食いしんぼ横丁にあるお好み焼き屋さんで、ご飯を食べることにした。

 

あの子がメニューを真剣に選んでいる姿が可愛すぎて、僕はこっそり(?)写真を撮った。写真は載せないが、本当に愛くるしいお顔でメニューを選んでいる。

 

結構、お好み焼きが来るのが遅かった。でも、その待ち時間さえもあの子がいれば、光り輝く時間だった。

 

お好み焼きが来ると、可愛い声で「ひとくち食べる?」と言って、少しあの子のお好み焼きも食べさせてくれた。こういうところ、本当に好きだ。

 

その後、海遊館に向かった。

 

印象に残ったのは、ジンベイザメイカの泳ぎ方だ。

ジンベイザメは本当に大きく、迫力があった。イカは意外と魚みたいな泳ぎ方をしていて面白かった。

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ーー

海遊館に入る前か入った後か忘れたが、あの子は、僕とバイバイした後、学校の男友達と焼肉を食べに行くと言っていた。

 

かなりショックだった。

僕と遊んだ日にいくら友達とは言え、他の男と遊ぶなんて、と思った。

 

でも、仕方ないのかなぁとも思っていた。

なぜなら、あの子はあまりにも可愛い。そして一緒にいて楽しい。

 

だから、きっとあの子には男友達がたくさんいて、僕なんかしょせん、その中の一人なんだろうと思った。

だから、ショックな気持ちを隠して、気丈に振舞った。

 

ーー

海遊館から出て、僕たちは天保山大観覧車に乗った。

あの子は、透明な観覧車に乗りたいと言っていた。

 

でも、透明は特別で、待ち時間が長そうだと話すと「やっぱり普通のにしよ!」と言ってきた。

 

でもでも、直前になって、やっぱり透明もそこまで混んでいないことがわかると「やっぱ透明乗りたい!!」と言ってきた。

 

なんて無邪気で可愛いんだと思った。

 

観覧車からみる景色はなかなか良かったけど、それ以上に、あの子と昨晩ぶりに二人きりの空間になれたことがうれしかった。

 

観覧車と言えば、告白スポットでもある気がしたが、僕は何しろそういうキザなことが大の苦手だ。だから普通に、健全に観覧車を楽しんだ。

 

ーー

観覧車に乗り終わってから、あの子はSNOWでいいから写真を撮りたいといった。だから、海の近くのベンチに座って写真を撮った。恥ずかしかったけど、あの子が撮りたいと言うなら、と思って頑張った。相変わらず、自分の顔ははんぺんみたいだった。

 

ーー

事件は、この後起きた。

僕とあの子がバイバイした後、あの子は学校の男友達と焼肉にいった。

その時点で僕は、傷心だった。それなのに、さらに事件が起きたのだ。

 

どうやら、男友達と僕のことを話しているうちに、どうも僕のことでモヤモヤしたようだった。これだけ遊んでいるのに、付き合わないの?そういう話だったようだ。

僕に、「うちのこと本当はどう思ってるの?」そう尋ねるようなラインを何度も送ってきた。

 

その話が一旦終わると、あの子は悪びれる様子もなく、こんなラインを送ってきた。

 

いまから男友達君の家に行ってくる!男友達君、家に親いない日多いからよく行くんだ!

 

僕は、普通にブチ切れた。あぁ、そうか。あの子は、男友達の家に夜22時30分以降に行くような女の子なのか。しかも、それを僕と遊んだ日の夜にしちゃうような子なのか。

そう思った。

 

そしたら、あの子は急いで返事を返してきた。

 

今の送ったのうちじゃない!うちがトイレに行っている間に男友達君が勝手に送った!!

 

それを聞いて、僕はさらにブチ切れてしまった。嘘っぽいなぁと感じてしまったからだ。

 

しかし、数秒たって、ブチ切れたことに後悔した。

 

だからなんとか言い訳しようと思って僕は「うそぴょーん!!本当は怒ってなんかないよ!!ドッキリ返しだよ!」みたいな返事をした。

 

その場はしのいだつもりだった。

 

ーー

家に着いた。楽しかったはずなのに、なにか胸にモヤモヤした思いが残っていた。

とりあえず僕はあの子に電話をかけた。

 

どうやらあの子も同じ思いだったようで、すごく暗い雰囲気の中、電話が始まった。

 

具体的にどんな話をしたかは覚えていない。ただ、「こんなことなら出会わなきゃよかった」とか「もう絡むのやめよう」とか結構悲惨な内容だったことは覚えている。

 

僕もあの子も泣いてしまっていた。

 

結局のところ、あの子がモヤモヤしていたのは、僕といろいろしているのに、付き合ってはいないという点だったのだろうか。これは今でもわからない。

 

ただ、僕は、あの子に、なぜあの子と付き合えないか、理由を話した。

 

理由は簡単で、あの子には男友達が多すぎるからだった。

 

こんな男友達が多い子と付き合ったら自分が病んでしまうと思ったし、僕はあの子が僕のことを好きだなんてあまり思っていなかった。

 

だいたい、相変わらず、男Aとはたくさん電話していたようだったし、男Aと会うような話も出ていると聞いていたからだ。

 

それに、そもそも僕に、男Aの話をしてくる時点で、僕のことは何とも思っていないのだろうと思っていた。

 

でも、それを告げたら、あの子は意外過ぎる行動に出た。

 

あの子は、男Aと絡むのをやめると言い、ブロックして友達から削除したのだ。

ここで、僕は、あの子がこうやって、尽くしてくれる子なんだなと思った。

 

だから、素直に、好きだと伝えた。